有害事象、副作用、副反応
2/8/2022 9:30:02
今日のポイント:副作用・副反応=因果関係アリ 有害事象=因果関係アリ+不明(なし?)
コロナワクチンが広まり、【有害事象】【副作用】【副反応】という言葉をよく目にします。コロナワクチンに限らず、例えば抗がん剤などの説明の時にもよく耳にしますよね?今日はこの三者の言葉の違いについて一緒に考えていきましょう。
ある薬や治療で、その薬や治療が明らかな原因となり患者さんに好ましくない影響を与えた場合、それを【副作用】と言います。一方で、その薬や治療法が原因だとは断定できないものも含めて、その薬や治療後に何かしらの好ましくない影響が生じた場合、それらすべてを【有害事象】と呼んでいます。
少しわかりにくいと感じる人もいるかもしれません。そこでイメージ図を以下に載せてみました。
つまり、有害事象の中に副作用というものが含まれています。
ある薬を使用して何か好ましくない影響が出たときにはっきりと「その薬の影響です。」と断言できない場合が多々あります。例えば、その薬を使用した時にたまたま患者さんが風邪を引いていた影響なのか、真に薬の影響なのか判断に困る場合があります。したがって、このような因果関係がはっきりしない場合は【有害事象】となります。しかしながらその後の調査で、やはりその影響が科学的に正しいとする裏付けなどが出てきた場合は【副作用】になります。
次に【副反応】について、これは主にワクチン接種時に使う用語です。ワクチン接種が明らかな原因となり好ましくない影響を引き起こした場合に使われる用語です。例えば、今回のコロナワクチンでは、注射部位の痛みや発熱、倦怠感などは起こりやすい副反応として考えられています。
【有害事象】=【副作用】【副反応】と考えてしまうと、ニュースや新聞の記事を誤って理解してしまうため注意が必要です。「コロナワクチン接種後に夜中ベッドから転がり落ちた」というのは、ふつうに考えればワクチン接種との因果関係は無さそうに思いますが、これも定義上は【有害事象】という扱いです。これを一部の誤った情報では、【副反応】【副作用】と記載しており、一般の方に余計な不安を与えるような表現になっているため注意が必要です。
正しい知識を身につけることは自分自身や大切な家族・友人を守ることにつながります。一つずつ着実に正しい知識を身につけていきましょう。
参考:
この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓